パンダリロン

‪この出会いが未来への分岐点‬

さかさまワールド

 

気づけばアカウントを離れてから2週間が経っていて、家の隣に毎年咲く桜は春風に吹かれてすべて散ってしまった。

 

 

夢にまでみた自担が所属するユニットの結成、少クラでのメインパフォーマンス、3週間前の私だったら幸せすぎていつ出演するかもわからないクリエガチャを前にふわふわと浮き足立ってたことだろう。誰だって自担が新ユニットのメンバーに選ばれることは嬉しい。自然消滅を乗り越えてやっと新しいユニットに所属することが出来た。これからはもっと露出が増えるんだ。もっと自担を応援できる。そう思うはずだ。

 

しかし、現状は3週間前とは大きく異なっていた。7 MEN 侍としてステージに立つ自担の姿を想像したとき、自担の隣に彼の姿はもうなかった。泣けるほど夢にみた自担と彼のGAMEやエレショの再演はどれだけ新ユニットが大きくなっても一生見ることは出来ない。そう思うと何だか心にぽっかりと穴が空いたような感じがして、新たなユニットで頑張ることを決めた自担を素直に応援することが出来なかった。正直なところ、彼なしの自担の未来など見たくなかった。

 

自分勝手でわがままなおたくだから、どうしても去っていってしまった彼に対して “じゃあね、これからもがんばってね” とすぐに割りきることが出来なかったし、素直に自担に “おめでとう、これから頑張ろうね” ともいえなかった。どうしても自担の隣にいるのは、彼じゃなきゃダメだった。自担のシンメは、彼じゃなきゃダメだった。他の人は他の人でしかない。

 

何を贅沢な、とおっしゃる方もいるだろう。

ユニットに加入出来たんだからいいじゃないかと。私も当事者でなかったらおそらくそう思う。

 

しかし、ご存知のように各々が担当とする自担にときたま存在する “シンメ” と呼ばれるものは少し特殊なもので、この世で一番尊いハッピーセットのようなものであり、多くの場合コンビのようなものを指しているのだが大抵そういった人物は各担に1人しかいない。そのシンメを失ってぽっかりとあいた自担の隣。不確定な未来と引き換えに生まれる微かな可能性に賭けていた昨日までとはもう違う。自担の隣がもう一度彼で埋まる可能性は完全にゼロになってしまった。

 

これからどうすればいいのだろう。自担を好きなことに変わりはなくて、シンメの彼はどうやっても戻ってこない。悲観しても生まれるのは虚無感だけで、生産性のないマイナスな気持ちが私から自担を遠ざけた。楽しいはずの趣味が楽しくなくなってしまった。

 

アカウントを離れて1週間ほど経った頃、大昇担の姉が研修から実家に帰ってきて、私がそれまで見ようか迷っていた回の少クラの録画を再生し始めた。先週13日放送分の7 MEN 侍のパフォーマンス初お披露目が収録されている回だ。今まで時間が合えば一緒に少クラを見ていたこともあって、いつものように私も一緒に見た。その日疲れていたのもあって、うらやましいなこんちくしょー!と半ベソをかきながらハイビーを見た。

 

そうこうしているうちに7 MEN 侍の出番がきた。鮮やかな緑のベストに青いジャケットを身に纏ってスケボーを自在に操る自担の姿を見て、条件反射のように流れる涙を拭いながらただひたすら画面の向こうでキラキラしている自担をみつめていた。すごくかっこよかった。その日、自担はカメラに抜かれて名前のテロップも出た。カメラに抜かれたのはいつぶりだろうか。名前のテロップが出たのはいつぶりだろうか。人によって価値観は違うが、私にとって、こうして自担に再びスポットライトが当たったことは、私が今までああだこうだと思案していたものを吹き飛ばすのには充分すぎるくらい大きなものだった。

 

チャンスは準備された心に降り立つといわれているが、自担は二度もチャンスを掴んだのだ。ユニットに所属出来るチャンスはそうそうないことはもう嫌という程分かっていた。だからこそ、そう思った瞬間今まで拗ねてごちゃごちゃ考えていた自分がアホらしく思えた。自担は自分にチャンスがまわって来たから掴んだだけだ。

 

 

こんな感じで目の前が真っ暗でどうしようもなかった2週間前の私から埃を払ってくれたのは自担だった。今日から私は7 MEN 侍の本髙担。メンバーカラーは緑だ。自担のスケボー技術は少し心配だが、以前から通学で使用していたと聞いて違う意味で驚いた。大都会はすごいな。

 

最後に、かつてみたアニメで「この世界は選ばれるか選ばれないか、選ばれないことは死ぬことなの」というセリフがあったが、そんな言葉が当てはまってしまうような世界で生きる本髙くんが新ユニットに選ばれたこと、それは本髙くんがここまで諦めずにチャンスを掴む準備をし続けてきたからだという事実を噛みしめて、私はこれからも本髙くんを応援していきたい。今度こそ、なんて言葉は良くないのかもしれない。しかしもう一度チャンスを与えてもらえたのは私にとっても同じだから、少しでも本髙くんがチャンスをものに出来るように私の出来る限りを尽くしたい。どうしてももう隣は埋まらないけど、その未来を纏う背中はおたくで支えるよ。

 

 

 

たぶんこれからも村木や天才Geniusのことを思い返しては、その度にセンチメンタルになるだろう。今日があの夏を超えることがきっとなくても、悲観はせずにそうやって思い返したときにそれらが楽しい思い出だったと言えるようになっていればいいなと切実に思う。

 

あとこれは本当に余談で、前からずっと思ってたことだが、自然消滅してしまった後も変わらず情報局の動画コーナーの1番下に、天才Geniusの局動画が残っていることが本当にうれしくてたまらないので、暇な方は是非一度再生してみてほしい。もれなく「なんでも微分しちゃうぞ♡」な天才ではちゃめちゃに可愛い本髙くんが見れます。 などと、天才ちゃんの話をし始めると止まらないので今日から暫く彼らとはおさらばすることにした。

 

私は、今日から侍担。

さよなら、天才Genius。

 

 

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おわり